米ドル/円 日足 (出所:TradingView)
米ドル/円 1時間足 (出所:TradingView)
米ドル/円 日足 (出所:TradingView)
米ドル/円 日足 (出所:TradingView)
米ドル/円 日足 (出所:TradingView)
米ドル/円は148.91~150.87円の日足レンジ内での推移が続いている
米ドル/円は2月13日(火)に150.87円の高値をつけてから膠着しています。
先週、先々週のコラムで書いたように、米ドル/円が150円を超えて上昇してくると、さまざまな思惑から上値が重くなっているようです。
それでも、ダウ理論の日足レンジ下限は2月12日(月)安値148.91円で、ここを割っていません。このため、米ドル/円は148.91~150.87円の日足レンジ内での推移が続いています。
先々週のコラムをお読みになり、149.56円の上に買い逆指値を置いていた方は、買いポジションができて、その日(2月13日)の夜に150.87円まで上昇しました。買い戦略と同時にご案内した損切り値148.91円も割りませんでした。このため現在も利益が乗っているか、すでに利確したはずです。
ここまでは、先週のコラムでお伝えしたままです。
実は、2月13日の値幅149.23~150.87円での推移が9営業日も続いている
先週(2月19日~)は、2月21日(水)深夜のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録公表で動きが出るかを注目しましたが、結局動かず。
さらに1週間が経過しましたが、米ドル/円相場はずっと同じレンジ内の動きが続いています。
というより、実はこの2週間、150.87円の高値をつけた2月13日(火)以降、この日の安値149.23円すら割らず、2月13日(火)の値幅内での推移が、昨日まで9営業日も続いています。
1時間足チャートを見ると、2月13日(火)の値幅149.23~150.87円の中で下げたり上げたりしていることがわかります。これがレンジ内の動きの典型で、方向感が定まりません。
私が書籍やメルマガでお伝えしているように、相場はその時間軸でチャートによって示された値段を超えないと動きません。
すると、米ドル/円の直近2週間がそうであるように、チャートが示す高値と安値の間、つまりレンジ内では方向感なく推移することになります。
このため、引き続き米ドル/円の買いポジションを保有している人は、買いポジションなのでスワップポイントが入ってきますし、本稿執筆時点では150円台なので利益も乗っています。
相場が膠着する理由はいろいろあるだろうが、どれが本当なのかはわからない
しかし、値動きが現在のように膠着してくると、利益が伸びないことに飽きて利確してしまう人や、思ったように動いてくれないことで先行きに不安を感じている人もいるかもしれません。
相場が膠着する理由はいろいろあるでしょう。
米国金利が…とか、上には当局の介入懸念が…とか、オプションの影響で…とか、相場が動きそうな理由も、動かない理由もいくらでも理由は考えられます。
ただ、どれが本当なのか、何を信じていいのかが、私にはわかりません。
チャートを見ると、米ドル/円は150.87円を上抜けないと上がらないし、148.91円を下抜けないと下がらない
そこで、相場の値動きだけ、つまりチャートを見ることになります。
「売り手と買い手のどちらか多い方に必ず相場は動く」という事実だけに注目するようにしています。
そう考えると、先週のコラムと同じように、米ドル/円は日足レンジ上限の150.87円(2月13日高値)を上抜けないと上がらないということになります。
昨日(2月26日)は150.82円まで上昇しましたが、150.87円を超えられないという事実が示すのは「買い手が足りないか、売り手が多い」ということです。
一方、下方向も日足レンジ下限の148.91円(2月12日安値)を割り込まないと下げません。「売り手が足りないか、買い手がいる」ということです。
逆に、理由がどうであれ、150.87円を上抜ければ、買い手が増えたか売り手が減ったことに間違いないので、相場は今後も上がる可能性が高まります。同様に148.91円を割り込めば、売り手が増えたか買い手が減ったかが明らかなので、相場が下げていく可能性が高まります。
150.87円をわずかにでも上抜けると、日足レンジ下限が148.91円から149.67円に繰り上がり、そこを割ると下げる可能性が高い
高値圏と考えると、ダマシを警戒する人もいるでしょう。
150.87円をわずかに超えてから下げ始めた場合。つまり2月13日(火)高値の更新がダマシだった場合です。
このようなわずかな高値更新でも、理論的に日足レンジが繰り上げられます。日足レンジ下限は148.91円から2月20日(火)安値149.67円に繰り上がり、そこを割り込むと日足レンジを割り込むため、下げる可能性が高まります。
149円台半ばや148.80円付近は強いサポートとなる可能性。下抜ければ相場は崩れそう
この149.67円付近には、現在の日足レンジ上限150.87円への上昇を始動した149.56円(2月9日高値)もあり、149円台半ばは相場の壁となりやすく、21日移動平均線もあることから、強いサポートとなる可能性が考えられます。
また、この149円台半ばの下となる、148.80円付近には、1月19日(金)高値148.79円、2月5日(月)高値148.88円、2月12日(月)安値148.91円が並び、ここも強い下値サポートとなることが考えられます。
このため、149円台半ば、そして148.80円付近を下抜けると、米ドル/円相場は崩れる可能性が出てきそうです。
特に、148円台後半を下抜けると、21日移動平均線も割り込むので、より下げやすくなりますが、それでも、週足の21週移動平均線(本稿執筆時点では147.70円付近)のサポートが続くので、下抜けは簡単ではないのかもしれません。
ただ、もしダマシになったとしても、あらかじめ相場の分岐点がチャートからわかっているので、損失額をコントロールすることができるのも、チャートを使う利点です。
考えれば悩むが、チャートに従えば、日足レンジを割り込まない限り、上昇の可能性は続く。151~152円を突破できるか注目
151~152円の厚い相場の壁を目前に、市場ではさまざまな参加者の思惑が交錯しているようです。
考えれば悩みますが、チャートに従えば、日足レンジを割り込まない限り、引き続き上昇の可能性が続くので、まずは151円、そして152円を突破できるかの注目となります。
なお、日足レンジ下限を割る動きになれば、ここまでの上昇の動きはいったん終了と考えます。
もしかすると、米ドル相場は米国の歳出法案の行方を気にしているのかもしれません。
ザイFX!