ドル円は13日に150.89円まで上昇するも、その後は150円を挟んだもみ合いが続いている。本日のNY市場でのドル円はレンジを意識しつつ、複数予定されている経済指標や要人発言を確認してゆく展開が見込まれる。
最初に、米経済指標について、まずは新規失業保険申請件数に注目か。市場予想は21.8万件と前回(21.2万件)を上回る見通し。また、2月の製造業とサービス業のPMI・速報値について、市場予想はいずれも前月から小幅鈍化だが好不況の分岐点である50は上回ると見られている。そのほか、1月米中古住宅販売件数やEIA週間在庫統計も予定されている。
次に、要人発言では、米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長や米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が予定されている。昨日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、FRBが利下げを急がない姿勢であることが明らかとなった。副議長は14日にタカ派的な発言を行っており、タカ派姿勢に変化がないか注目したい。また、ハーカー総裁も同様に直近発言と見比べることとなろう。直近では7日に「FRB、先週の政策金利据え置きは正しい判断」「米経済はソフトランディングに向かっている」などと発言している。これら発言を通して米長期金利が動く場面では、ドル円相場に直接的な影響が見込まれる。
そのほか、前日の引け後に好決算を発表した米半導体エヌビディアに対する米株市場の反応にも注目である。
これらのイベントを通してドル円が13日に付けた年初来高値の150.89円を超えることがあれば、もみ合い上抜けとの見方から昨年11月16日高値151.43円に向けた一段高もあるだろう。反対に15日安値149.57円をも割り込んでしまうと、レンジ下抜けとの見方から21日線が位置する148.94円に向けた続落も視野に入りそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円は13日に付けた年初来高値の150.89円。超えると昨年11月16日高値151.43円。
・想定レンジ下限
ドル円は15日安値149.57円。割ると21日線148.94円。
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