NY時間のドル円は、引き続き底堅い動きとなりそうだ。内田日銀副総裁が講演で、2%の実現が見通せる確度は少しずつ高まっているとはしているが、金融政策変更については慎重な姿勢を崩していなかった。6日に発表された12月の毎月勤労統計では、実質賃金が21カ月連続で減少していることで、本日の清水日銀理事が発言したように「マイナス金利を解除しても緩和的な環境が続く」というのは頷けることだろう。一方で、先週は米連邦公開市場委員会(FOMC)での早期な利下げが否定され、米雇用統計は強い結果となった。そして、今週は新たな米インフレ指標の発表などが予定されていないことで、米金利が大幅に低下トレンドをたどることは考えにくく、ドル買い・円売り地合いを継続させることになりそうだ。
本日は米国からは前週分の米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数などが発表されることで、結果次第で米金利が上下することが予想される。しかし、上述のように重要インフレ指標でもないことで、一過性の値動きしか期待はできないだろう。むしろ、雇用情勢が悪化し、米金利の低下でドルがつれ安になった場合には、絶好のドルの買い場となる可能性もありそうだ。なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演が予定されているが、昨日も同氏は講演を行ったこともあり、サプライズとなる発言を期待するのは難しいだろう。
・想定レンジ上限
ドル円は、5日に付けた年初来高値148.89円を超えると、昨年11月22日高値149.75円から150.00円が目標に。
・想定レンジ下限
ドル円は、日通し安値147.93円。その下は7日安値 147.63円。
トレーダーズ・ウェブ