本日のロンドン為替市場でユーロドルは、主要なテクニカル水準を1.08ドル前半に控えて上値は重いままか。1.0811ドルには日足一目均衡表・転換線と90日移動平均線、1.0828ドルに厚い一目・雲の下限、1.0835ドルは200日移動平均線が位置している。
まずは、欧州序盤に発表される12月独鉱工業生産を見極めたい。市場は前月比-0.4%/前年同月比-2.4%と前回からマイナス幅縮小を予想している。昨日の同月製造業新規受注は増加と、減少予想から大きく上振れた。予想から外れやすい指標のため相場の反応は限定的ではあったものの、発表後からユーロドルは売りづらくなってしまったようだ。念のため、本日の鉱工業生産もポジティブサプライズには気を付けておきたい。
独指標後には、ミュラー・エストニア中銀総裁の講演が予定されているものの、他に目立った材料がない中で欧米金利動向を見据えながらの取引となるだろう。ただし、前述したように1.08ドル前半には主要線が待ち構えている。欧米経済の温度差も意識されながら、それら水準がレジスタンスとして働くのではないか。
ほか、英国からはブリーデン英中銀(BOE)副総裁が講演予定。先日は中銀チーフエコノミストでもあるピル英MPC(金融政策委員会)委員が、利下げ時期を探る段階に来たことを示唆した。政策スタンスは中立的とされるブリーデン副総裁が、ピルMPC委員の発言に対しどのような見解をのべるかが注目される。
ポンドドルは昨日、1.2560ドル台に位置する200日移動平均線を上抜けて1.26ドル台を一時回復。結局、1.25ドル手前の90日移動平均線が支持水準として機能したことになる。新たな材料がでなければ、厚い日足一目・雲の中で暫く推移することになるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、200日移動平均線1.0835ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・雲の上限1.2691ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・ターニングポイントの1.0692ドル
・ポンドドル、90日移動平均線1.2514ドル
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