週明けのロンドン為替市場では、欧州中央銀行(ECB)金融政策イベントを通過して伸びに悩むユーロドルの「200日移動平均線(以下、200日線)を巡る攻防」が注目される。欧米とも重要な経済指標は発表されず、デギンドスECB副総裁の講演が欧州午後に予定されているのみ。なお、不安定さを増している中東情勢を受け、地政学リスクに敏感なスイスフランの動向にも注目したい。
25日ECB理事会の声明では、基調インフレについて「低下傾向は続いている」との見方が示された。ラガルドECB総裁からも景気やインフレについてハト派的な見解が目立ったとする市場関係者の意見が多いようだ。そういったなか、一部通信社がECB関係筋の話として「インフレ統計の改善次第で、3月利下げ議論の用意も」と報じた。今後の指標結果を見極めねばならないが、市場では一段と利下げ観測が高まっている。
200日線は1.0840ドル台でジワリと低下しており、本日は1.0843ドルに位置している。先週後半は1.08ドル前半では下げ渋っているものの、反発力は弱い印象だ。上値の重さが続くようだと、1.08ドル割れの90日移動平均線を試す場面もありそうだ。
なお中東では、ヨルダン北東部の駐留米軍基地が攻撃を受けて米兵3名が死亡したと報じられた。親イラン組織による攻撃とされ、米イラン関係の緊張が一層高まることが懸念される。中東地政学リスクへの警戒感が拡大するようだと、避難通貨とされるスイスフランに資金が向かう局面もあるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、25日高値1.0902ドル
・ユーロスイスフラン、25日高値0.9427フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、90日移動平均線1.0790ドル
・ユーロスイスフラン、4日安値0.9270フラン
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