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米ドル/円は高値を追わない押し目買い方針を継続。1米ドル=150円台では、当局の介入警戒感も残る!? スイスフランは対ユーロ、対米ドルでの戻り売りで

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2024-01

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2024-01-27
市場予測
米ドル/円は高値を追わない押し目買い方針を継続。1米ドル=150円台では、当局の介入警戒感も残る!? スイスフランは対ユーロ、対米ドルでの戻り売りで

米ドル/円 週足 (出所:TradingView)

主要通貨の対米ドル騰落率(年初~24年1月24日)

米ドル/円 日足 (出所:TradingView)

米ドル/円 週足 (出所:TradingView)

ユーロ/スイスフラン 週足 (出所:TradingView)

スイスフラン/円 年足 (出所:TradingView)

1月は今年の為替相場を占う重要な月
 みなさん、こんにちは。

 本日は、1月25日。早いもので、2024年もあと1週間程度で、ひと月終わろうとしています。

 多くのトレーダーは、この1月の為替相場の動きを重要視しています。

 過去のコラムでご紹介させていただいたように、昨年2023年の米ドル/円は23年1月16日に到達した127.23円を安値として、反発開始。

 終わってみれば、11月の高値である151.91円まで25円近くも反発したことになります。

 他通貨に目を向ければユーロ/円も23年1月3日の137.39円が安値となっています。

 昨年、33円も急騰し史上最高値を更新し続けたスイスフラン/円も、23年1月13日の137.44円が安値。

 このような経緯もあり、このところの為替相場は1月の値動きが極めて重要といえます。

新NISAなどの円売りと日銀の政策修正の円買いが交錯して、米ドル/円は乱高下
 1月の主要通貨の動きをチェックするために、本稿執筆時点までの主要通貨の対米ドルの騰落率を見てみましょう。

 全ての主要通貨に対して米ドルが上昇。

 年初からまだ1カ月も経っていませんが、最弱通貨は変わらず日本円となっています。

 今年の米ドル/円は140.82円を安値に19日に到達した148.80円まですでに8円近く急騰しています。

 この円安の要因は下記の点が挙げられます。

 1.新NISA関連の外国株投信による円売り
 2.昨年末の米金利の急落からの反動による、米金利の反発
 3.欧米投資家による日本株購入に伴ってのヘッジによる円売り。

 ここでの注目はやはり新NISA関連の円売り。

 新NISA関連の外国株投信購入による円売りは、これまでもかなりのインパクトがあります。

 先週ご紹介させていただいたように、年間の円売りが7~9兆円(みずほ銀行唐鎌大輔さん)や、年間16兆円の円売り(ふくおかFG 佐々木融さん)のような金額になってくると、今年の米ドル/円は150円を軽く超えて円安が進行する可能性が高まります。

 ここまでの材料であれば、米ドル/円を買い進めればいいだけになりますが、その円安のスピードを抑えようとするのが、日銀の政策修正による円買いです。

 そして、財務省の神田真人財務官。

 「財務省の神田真人財務官は23日、日銀の政策決定を尊重するとした上で『市場に対し適切な対応をとる』と語った。」
 (出所:Bloomberg)

 米ドル/円を買い進むと、神田シーリングといわれた米ドル/円の152.00円が上値を押えます。

 この重要なラインがどうしても抜けず、過去2年間、152.00円レベルまで迫った米ドル/円は、簡単に10円ほど急落しています。

 ただ、「神田シーリングは円安スピードを抑える意味だ」という認識がマーケットに拡大しています。

 結果、米ドル/円は高値を追わず、ていねいに押し目買いを継続。

 スイス国立銀行と戦ってはいけない! 
 先週ご紹介させていただいたスイスフランは総じて上値が重い展開を続けています。

【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は、高値を追わない押し目買い方針を継続。新NISAで年16兆円の円売り!?  当面は火曜と水曜に注意! 中銀のスタンス変化で、スイスフランの行方にも注目! 

 Bloombergのエコノミストは、“Don't fight (or ignore) the SNB.”スイス国立銀行(SNB)と戦ってはいけない(あるいは無視してはいけない)と指摘しています。

 今週もSNBのトーマス・ジョルダン総裁は、「フラン高はスイス国内の企業にとって痛みを伴う」とコメントしており、
ユーロ/スイスフランの下値は限定的だと想定しています。

 SNBのスタンスに沿って、今後もスイスフランを戻り売りすればいいのでしょうが、ここで一つ問題があります。

 スイスフランは、避難通貨(safe-haven currency)として機能する通貨です。

 数年前まで避難通貨の代表的な通貨は、日本円、スイスフラン、とされていましたが、日本円は避難通貨のリストから外れました。

 昨年のスイスフランは、唯一の避難通貨として買い進まれた側面もあります。

 しかし、先週のSNBのトーマス・ジョルダン総裁のコメントによりスイスフランは、避難通貨から徐々に離脱。

 ここで問題になるのが、地政学的リスクが高い環境下で、マーケットに強い負荷がかかった時に、どの通貨を買えばいいのか? 

 他に避難通貨がないため、どうしても一時的にスイスフランが買われる側面は今後もあると考えています。

 ただSNBのコメントどおり、買われすぎたスイスフランは徐々に値を下げていくと考えています。

スイスフランに対しては円は下げすぎ!? 
 ユーロ/スイスフランや米ドル/スイスフランのように、多くの主要通貨に対してスイスフランは値を下げるのでしょうが、問題は対円であるスイスフラン/円。

 前述のように日本円も、上値が重いのです。

 下図はスイスフラン/円の年足チャート。

 2000年の58.83円という安値に到達したスイスフラン/円は、過去23年という長期間、続伸し簡単に2倍を突破しました。

 今年のスイスフラン/円の高値は171.58円。

 あと数円で安値の3倍(58.83円×3=176.49円)まで接近しています。

 さまざまな見方や、検証、政治的背景はあるのでしょうが、過去23年の間にスイスフランが日本円の3倍も価値がある通貨になったのか? 

 視点を変えれば、日本円はスイスフランの3分の1に劣化したのか? 

 筆者は、基本円安の見方を維持していますが、スイスフランに対しては、日本円は下げ過ぎではないかと感じています。

 このあたりは、SNBがスイスフランをどの程度調整させたいのかを見極めたいところ。

 新NISAに伴っての外国株投信購入や、日本株急騰による円売りで、年初から8円近く急騰した米ドル/円。

 神田シーリングを控えていることもあり、米ドル/円は引き続き、ていねいに押し目買い継続。

「Don't fight (or ignore) the SNB」の言葉どおり、ユーロ/スイスフランや米ドル/スイスフランでは、スイスフランの戻り売り継続で。

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