【これからの見通し】きょうはECB理事会と米GDP速報値に注目
きょうはECB理事会と米GDP速報値が注目材料になっている。このところ、ドル相場が神経質に上下動するも、方向性は明確にならない状況となっている。両イベントがトレンド性復活のきっかけとなるのかどうか注意深くみたいところだ。
ECB理事会について、市場では主要政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。また、ECBは政策決定について「データ次第」との姿勢を貫いており、明確な今後の方向性を示す「ガイダンス」は明示しない方針だ。インフレ鈍化傾向は明確であり、今後の利下げ開始時期に焦点が当てられている。短期金融市場では一時3月利下げ開始観測が高まったが、足元では4月からの織り込みが優勢。また、ECB当局者らからは、特にタカ派メンバーから利下げ開始議論は「時期尚早」との苦言が呈されていた。しかし、直近ではラガルドECB総裁が夏頃の利下げ開始を示唆している。早ければ6月との見方もでているようだ。次第に、短期金融市場とECB当局との見通しがすり寄ってきている状況。このあたりをラガルドECB総裁会見で探ることとなろう。
米第4四半期GDP速報値はどうか。市場予想は前期比年率2.0%程度の成長を見込んでいる。前回の4.9%からは伸びが鈍化する見込み。ただ、成長を続けており、リセッション警戒は遠のいている。市場では3月の早期利下げ観測がある程度の割合で広がっているが、成長を続ける強い米経済状況とあっては、欧州以上に早期利下げは時期尚早であろう。個人消費やデフレータなども参考にしつつ、利下げ開始時期の動向に関心が集まりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の注目イベント以外にも比較的多い。ドイツIfo景況感指数(1月)、南ア生産者物価指数(12月)、南ア中銀政策金利、トルコ中銀政策金利、米卸売在庫(速報値)(12月)、米新規失業保険申請件数(01/14 – 01/20)、米耐久財受注(速報値)(12月)、米新築住宅販売件数(12月)など。
発言イベント関連では、上記のラガルドECB総裁会見にほかには、イエレン米財務長官が米経済について会見を行う。会見内容にバイデン米大統領の「米国への投資」「現代のサプライサイド経済学」が含まれるもようだ。米7年債入札(410億ドル)が実施される。Tモバイル、コムキャスト、インテル、VISAなどの米企業決算発表が注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
みんかぶ(FX)