本日は東京市場が祝日で休場となったが、上海・香港株のさえない動きも重しに、ドル円は売りが先行し、一時144.09円まで弱含んだ。ただ、144円割れを試す動きには持ち込めず、144円半ばに持ち直した。
先週末に注目の米雇用統計を通過し、本日のNY市場では主な経済指標やイベントは予定されておらず、新規の手がかりは乏しい。ドル円は米株・米長期金利の動向を睨みながら神経質な動きになる可能性はあるが、基本的には144円台で方向感が出にくい。今後の日米金融政策をめぐる不透明感からも、ドル円は一方向に大きく傾きにくい。
今年に入って、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官から市場の利下げを織り込む動きにけん制発言が多く聞かれ、米長期金利が上昇し、ドルに買い戻しが入った。先週末の米12月雇用統計でも非農業部門の就業者数が前月比21万6000人増と市場予想を上回り、インフレに影響する賃金の伸びも高水準が続いていることで、物価安定の回復は道半ばということが示唆された。今年にFRBが利下げに舵を切ることが引き続きメインシナリオではあるが、依然として金利の高止まりやFRBの追加利上げの可能性が残されている。「日銀の金融政策正常化・FRBの利下げ」をテーマにドル円の上値は重いものの、足もとでは積極的に下方向を意識した動きに持ち込めるのも難しい。
・想定レンジ上限
ドル円は節目の145.00円や5日の高値145.97円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円は5日の安値143.81円や200日移動平均線143.36円が下値めど。
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