そのような中で、FRBとECBの金融格差から売りが続いていたユーロドルも買戻しが強まり、1.07ドル台を回復している。きょうは1.0720ドル付近まで買い戻されているが、今週の高値1.0750ドルが目先の上値メドとして意識される。
ECBは漸進的利上げを強く主張しているが、それは、7月から6回のECB理事会で連続しての利上げ実施を織り込んでいる市場の期待と一致していないとの指摘も市場から出ている。ECB以上に市場はタカ派に見ているようだ。ラガルドECB総裁は今週ブログで、「第3四半期末までにマイナス金利を脱する」と述べ、7月と9月に利上げを実施する可能性を示唆し、市場を驚かせた。ただ、ECB理事の中ではラガルド総裁の発言に異論も出ており、タカ派な理事からは、0.50%ポイントの大幅利上げの可能性も残すべきとの主張も出ている。
そのような中で次回6月9日のECB理事会に注目が集まっている。6月の理事会での利上げ開始の可能性はほぼ無いと思われるが、9月までに、現在のマイナス0.50%の中銀預金金利が少なくとも0%に戻ることはほぼ確実と見られている。
ラガルド総裁は7月、9月の2回の理事会で0.25%ポイントずつの利上げを主張しているようだが、7月の0.50%ポイントの大幅利上げを6月の理事会で協議する可能性は残されているという。
EUR/USD 1.0716 EUR/JPY 136.54 EUR/GBP 0.8522
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美