ロンドン市場は、円が全面安。ドル円は一時134.13レベルと2002年2月以来の高値水準となった。東京市場で付けた今日の安値からは1円55銭の大幅上昇となっている。クロス円も買われ、ユーロ円は143.90近辺、ポンド円は168.15近辺、豪ドル円は96.45近辺などへ高値を伸ばしている。このところ注目度が高い黒田日銀総裁の発言だが、きょうも「金融緩和はまだ道半ば、日銀は緩和政策を継続することで経済支えるべき」と緩和継続の強いメッセージを繰り返した。日銀と各国中銀との金融政策スタンスの差がより鮮明になっている。米10年債利回りは3.02%付近まで上昇した。OECD経済見通しでは、成長率引き下げとともにインフレ予想をウクライナ戦争前から約2倍の伸びに引き下げた。ユーロ相場にとってはあすにECB理事会を控えており、金融市場では向こう1年間の利上げ織り込み度も高まっている。ユーロ買い・ポンド売りの動きもみられた。
ドル円は133円台後半での取引。東京市場から買われ続けている。東京午前の安値132.58近辺からロンドン昼頃には134.13近辺まで高値を伸ばした。1円55銭の大幅上昇。2002年2月以来の高値水準となった。黒田日銀総裁の発言が連日報じられている。この日は「金融緩和はまだ道半ば、日銀は緩和政策を継続することで経済支えるべき」と緩和継続の強いメッセージを繰り返した。
ユーロドルは1.07台前半での取引。米債利回り上昇とともに1.0671近辺まで下押しされたあとは、買いに転じている。高値を1.0730近辺に伸ばした。ユーロ円はドル円とともに大幅上昇。ロンドン時間には142円台半ばから143.90近辺まで上伸。対ポンドでのユーロ買いの動きも鮮明だった。第1四半期のユーロ圏GDP確報値は予想外に上方修正された。あすのECB理事会を控えて、向こう1年間の市場の利上げ織り込み度が一段と高まっている。
ポンドドルは1.25台半ばでの取引。ロンドン朝方に1.25台後半から1.2513近辺まで下押しされた。その後は下げ一服も1.25台半ばまでと上値が重い。ポンド円はドル円とともに上昇しているが、ロンドン時間には167円台半ばから168.15近辺までと比較的値幅が限定されている。ユーロポンドは0.8500付近から0.8560付近へと上昇しており、ポンド相場の上値を重くした。英建設業PMIは56.4と前回から予想以上に低下した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明