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ドル円は下げ渋るも上値重い 押し目買いを推奨する声も=NY為替概況

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2022-08

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2022-08-01
市場予測
ドル円は下げ渋るも上値重い 押し目買いを推奨する声も=NY為替概況
 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って下げ渋ったものの上値重い展開となった。きょうのドル円は荒い値動きとなった。本日は月末の取引で、これまでのドルロング・円ショートポジションの調整が強まり、ロンドン時間の早朝には132.50円付近まで急落する場面が見られた。今週のFOMCや米GDP速報値を経て、市場もFRBの積極利上げの期待を一服させる中、これまで積み上げたポジションを巻き戻す動きを活発化させている。チャートは21日線を下放れした形を強めており、テクニカル的な見切り売りも加速したものと思われる。

 急ピッチな下げからNY時間にかけては買い戻しも見られ、一時134円台半ばまで買い戻される場面が見られたが、米国債利回りも下げに転じる中で、再び上値が重くなっているようだ。

 ただ一部からは、今週の下げは行き過ぎのように見え、ドル円の押し目買いを推奨する声も出ている。今後2週間で138円まで戻す可能性があるという。本日は第2四半期の米雇用コスト指数が発表になっていたが、第1四半期からは伸びが緩んだものの、予想以上の強い内容で、FRBの軸足が成長へシフトすることを期待するのは時期尚早である可能性を示唆しているとしている。米政策金利の誘導目標は3.50%-3.75%の水準まで上昇する可能性が十分にあり、ドル円の上値追いを今後もサポートするとしている。

 なお、目先の下値サポートとしては132.50円、132.20円、131.50円などが意識される。

 ユーロドルは買い戻しの流れが続いた。しかし、上値が重い雰囲気に変化はなく、本日1.0180ドル近辺に来ている21日線を上回り、1.02ドル台に入ると戻り売り圧力も強まるようだ。

 この日は第2四半期のユーロ圏GDP速報値が発表され、前期比で0.7%と経済の堅調さが示された。しかし、今後の成長は弱くなるとの指摘も出ており、市場の不安感は根強い。エネルギー価格のショックによりインフレが上昇し、消費者心理が悪化、購買力も悪化し、個人消費が経済の牽引役から重荷役に転じる可能性があるという。ただ、これが物価下押し圧力になるには時間がかかるとしている。

 この日はユーロ圏の消費者物価指数(HICP)の速報値が同時刻に発表になっていたが、総合指数で前年比8.9%と過去最高の伸びであったことを考えると、ECBは追加利上げで対応すべきだという。ECBはインフレ抑制を最優先すべきで、9月の理事会での0.75%ポイント利上げも排除できい中、今後のユーロ圏の景気は弱まる可能性は十分にあると評している。

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(7月)18:00
結果 8.9%
予想 8.7% 前回 8.6%(前年比)
結果 4.0%
予想 3.9% 前回 3.7%(コア・前年比)
結果 0.1%
予想 -0.1% 前回 0.8%(前月比)

ユーロ圏実質GDP(速報値)(2022年 第2四半期)18:00
結果 0.7%
予想 0.2% 前回 0.5%(0.6%から修正)(前期比)
結果 4.0%
予想 3.4% 前回 5.4%(前年比)

 ポンドドルはNY時間にかけて伸び悩んでいるものの、ロンドン時間の早朝に一時1.2245ドル付近まで上昇する場面が見られた。21日線の上でしっかりと推移しており、リバウンド相場を続けている。

 最近のポンドの上昇は、ドル買い一服とリスクセンチメントの改善によってもたらされているとの指摘が出ている。来週8月4日に英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されており、それまではポンド関連の大きな材料もないことから、もうしばらくリバウンド相場が続くとの見方も出ているようだ。

 その来週のMPCだが、0.50%ポイントの利上げが有力視され、委員の投票行動は7対2が見込まれているようだ。ただ、3分の1は0.25%ポイントの予想も出ている状況。ベイリー英中銀総裁が将来の利上げにどのようなシグナルを発するか注目されるが、英経済の成長見通し軟化の中で、今回のMPC後は従来の0.25%ポイントペースの引き上げに戻し、2月までに政策金利を2.75%まで引き上げるというシナリオが有力視されているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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