きょうの市場はリスク回避の雰囲気が強まる中、ポンドドルの売りが加速しており、一時１．２６ドル台まで下落する場面が見られた。２０２０年９月以来の安値水準。　　各国中銀の利上げ圧力が強まる中で、ここに来て中国でのロックダウン拡大に対する警戒感も加わり、市場では世界的な景気後退への懸念が再び強まっている。国債利回りのフラット化も再度強まっている状況。　市場からは、多くの先進国に景気後退観測が広がれば、英国は特に他国よりも大きなリスクを抱えているとの指摘も聞かれる。英国では財政刺激策の停止や高インフレによる消費者の生活危機が叫ばれる中で、景気後退を警戒する声が以前から多い。その雰囲気がさらに広がれば、今後数カ月でポンドドルは１．２０ドル－１．２５ドルのレンジに滑り込む可能性もあるという。GBP/USD　1.2727　GBP/JPY　162.69　EUR/GBP　0.8421MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

　中国の李克強首相は同国経済について、国内外情勢が想定以上に変化したことが影響し、これまでと違うより大きな下押し圧力に直面していると述べた。国務院の会合での発言として、新華社通信の報道をブルームバーグが伝えた。　雇用と物価、供給の安定を確実にするため、また中国経済のファンダメンタルズを安定維持のために、策定済みの政策イニシアチブを上期中に実施すべきだと同首相は指摘している。食料およびエネルギーの安全保障を守り、サプライチェーンの安定を維持する責任を担うことを政府は求められているとも語った。

　きょうのＮＹ為替市場でドル円は戻り売りが優勢となっており、１２７円台半ばまで一時下落した。中国で感染に収束の気配が見られず、ロックダウン措置が上海のみならず北京にも導入されるとの懸念が広がっている。北京市当局によると、北京市は明日の４月２６日から３０日まで、新型ウイルス検査を朝陽区から他の１１郊区にも拡大し、１２郊区で実施すると発表した。　市場ではＦＲＢの積極利上げによる景気後退を不安視する声がある中で、中国でのロックダウンの広がりはサプライチェーン問題を悪化させ、景気後退への懸念に拍車をかけるとの指摘が聞かれる。　警戒感が広がる中できょうの米株式市場は続落しており、米国債利回りも低下する中で、ドル円も戻り売りが強まっている格好。一時１２７．５０円付近まで下落する場面が見られたが、目先は先週サポートされた１２７．４５円付近が下値メドとして意識される。　今週は日銀の決定会合が予定され、市場からは日銀の円安是正を期待する声も出ている。しかし、黒田総裁は先週のニューヨークでの講演で、緩和姿勢が適切との認識を改めて強調しており、現行のイールドカーブコントロール（ＹＣＣ）政策の維持が有力視されている。　ユーロドルは売りを強めており、１．０７ドル台を一時割り込んだ。２０２０年３月以来の安値水準。きょうの市場はリスク回避の雰囲気を強めており、為替市場はドル買い・円買いの動きが優勢となっている。そのような中でユーロドルは下値模索を強めているようだ。先週末までは強いサポートとなっていた１．１８ドルの水準での売買交錯となっていたが、きょうの動きで完全に下放れの印象が強い。テクニカル的には１．０５ドルを目指しそうな気配が高まっている。　週末のフランス大統領選ではマクロン大統領が勝利した。対抗馬のルペン候補はユーロ懐疑派であったこともあり、市場には安心感が広がった模様。週明けのユーロ相場は買いの...

　　　ポンド円 　　豪ドル円　　カナダドル円始値　　165.52　　93.05　　101.09高値　　165.57　　93.32　　101.36安値　　162.06　　91.12　　99.82終値　　163.25　　91.99　　100.62

　　　　ドル円　　ユーロドル　　ユーロ円始値　　128.42　　1.0807　　139.22高値　　128.86　　1.0851　　139.48安値　　127.52　　1.0697　　136.49終値　　128.14　　1.0713　　137.26

※経済指標主な発表はなし※発言・ニュースマクレム・カナダ中銀総裁・更に追加の０．５０％の利上げを検討。・カナダにはもっと高い金利が必要。・必要であれば、インフレを力強く目標に近づける。・物価上昇圧力の拡大は大きな懸念。・５％のインフレはカナダ国民に年２０００加ドルの負担を強いる。・インフレはピークに近い。北京市、検査を１２郊区に拡大　北京市当局によると、北京市は明日の４月２６日から３０日まで、新型ウイルス検査を朝陽区から他の１１郊区にも拡大し、１２郊区で実施すると発表した。